理想的な人格へと導く自己実現論。

2021-06-14

理想の自分とはなんだろうか。人には様々な夢や理想がある。それらを叶えた自分が完成形なのだろうか。と疑問が湧く。だが、僕はそれが夢をかなえる事が、理想の人物像ではないと考えている。

《自己実現》すること。これこそが人としての理想形だと思う。

自己実現とは、人が生きていくうえで欠かせないモノを、求めようとする欲求を満たした状態。足りないモノがない状態。欲求というエネルギーを自分の成長に使える状態だ。

つまり、全力で夢や理想、自分の成長に集中できる状態だ。人は、基本的な部分が満たされていて初めて、人生を歩むスタート地点にたつ。

人の基本的な部分っていうのは色んな要素があります。「健康」「安定」「愛情」「承認」など。これらは満たさなければならない。なぜなら満たされない限り、これらを得ようという欲求に支配されて自己成長にエネルギーが向かないから。

のどが渇いてしかたない状態で、ビジネスや作品を作れるだろうか。両親が毎日喧嘩ばかりの安息の場所もない状態で、楽しんで勉強できるだろうか。誰にも愛されず、相手にもされない状態で、心から芸術を味わえるだろうか。誰にも認められない状態で、人を愛せるだろうか。

どれもなくては、ならない。根源的なモノ。それらを得ようとする欲求は、獰猛な獣のように襲い掛かってくる。餌付けしてやらねば噛みついてくる。

成長し続ける自分になるには、自己実現する必要がある。

つまり人に欠かせない基本的な欲求を満たすということだ。心理学では「欠乏欲求」と呼ぶ。

この欠乏欲求というのは、マズローの欲求階層説(自己実現論とも呼ばれる)に基づいた概念で、4つの欲求の事だ。(図を見るとわかりやすい。)

※実はこの図はマズローが考えたものではない。著者の解釈によってさまざまなバリエーションが存在する。

図のように、人の欲求はピラミッドのようなもの。下から順に欲求が強い。満たされれば 1 つ高度な欲求が出てくる。

欠乏欲求と呼ばれる欲求は、満たされていないとそればかり求めてしまう。

逆に、欠乏欲求が満たされたら足を引っ張るものはなくなる。自分の夢や理想、成長に集中できる。そんな状態を自己実現という。

自己実現している状態が、人にとっては一番望ましい状態だ。何を身に着けるにしても理想的な状態。欲求に振り回されずに済む。

つまりざっくり言うと、「欠乏欲求」を満たせば人生の準備満タン!ということになる。

欠乏欲求を深く知ろう。

欠乏欲求とは4つの、基本的な欲求。生きるに欠かせないモノ。「生理的欲求」→「安全・安定の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」の順番だ。最初の欲求ほど根源的で強力だ。

欠乏欲求が、満たされなければネガティブ感情が増える。これらの欲求ばかり追い求めるのは不幸なことだと言えるわけです。幸福度がたかく、人生の成功に集中でき、負の感情も抱きにくい。そんな人格者になる土台として「欠乏欲求」を克服し「自己実現」することを強くお勧めする。

※ただ下層の欲求を100%満たされなければならない訳でなく、人により「愛情」よりも「承認」の欲求が先に来たり、上層の欲求に移行するパーセンテージが違う。*3 (「安全の欲求」が70%必要な人もいれば50%でもよい人がいる。)

自己実現するとどうなる?

僕自身のエピソードを少しお話しします。学生時代、僕は「承認の欲求」が満たされていない状況でした。(当時は自覚無し。)

《モテたい。認められたい。すごいと思われたい》。そんな感情に支配されていた。

そして長期的な自分の為になる行動。勉強や運動・自制といったものに目を向けず、すぐに成果の出るモノばかりやっていた。ゲームなどで強くなる。SNSでフォロワーを増やすといった行動だ。

あと思考が全て、「他人に認めさせるため」という状態になっていた。

お金を稼ぎたい。かっこよくなりたい。皆とは違う。いい車に乗って、豪邸に住みたい。就職したくない。起業する。バンドやって売れたい。

こういう思想だ。正直、自分自身の価値を高めたいとは1ミリの考えれなかった。全て他人の評価を得ようとするものばかりに惹かれていた。こんな状態では夢や理想を叶えるなんて難しいものだったろう。

なぜ「承認の欲求」の欲求が満たされなかったかというと、親が茶化すように褒める傾向があったからだと思う。僕はこれがすごく嫌だった。《認められている》という感覚が湧かなかったから。バカにされているように感じていたからだ。

しかし、とても幸運なことにガールフレンドが出来た。彼氏彼女の関係となるとお互いを無条件で認めるかのような空気がある。僕はこれに救われた。「承認の欲求」を満たしてもらえた。そのおかげで自己実現にいたり、今では自分が成長することに喜びを見出している。

僕が今の仕事で、子供らにかかわる中で凄く似た場面に出くわした。子供を凄く茶化す保護者に遭遇した。その人の子は、イタズラや愚痴、悪口ばかり言い、他人の注目を集めたがる子だった。

運よくその人に、「茶化さず真摯に認めてあげて」とお伝えする機会に恵まれた。その後は、イタズラや愚痴め減少し、かえって人に認められるようになっていった。

こんな事例を是非とも増やしていきたい。そこで「欠乏欲求」を満たし、成長欲求を持てるようなる育児のコツを紹介していきます。使えそうな部分だけ取り入れたり、各家庭に合うようアレンジして使ってみてください。

欠乏欲求の満たし方。

実は、こうすればOK。という理論はありません。各家庭のスタイル。子供と親の個性。関係性など何一つとして同じものはない。どんな理論も人が変われば結果は変わる。完璧な理論による完璧な結果を得ることはできない。

でも確率の高い方法やコツはあります。それを親が身に着けたり、子供が身に着ければいい方向に進みそうだというモノをピックアップしました。

うまく活用してください。

生理的欲求の満たし方

まず初めにここを満たさないと始まりません。生理的欲求とは食事や排せつ、睡眠といったほんとに生命の維持に必要な欲求です。

何も考えずとも食事を提供する。排泄させる、寝かしつけるといっただけで満たせます。ある程度大きくなればほっといても勝手に満たしています。

ただ、一つ。健康を維持すること。体を動かすといった欲求は薄いという事。あらゆる娯楽が溢れ生理的欲求よりも強力な超常刺激(TVやスマホなど)にさらされる。そのおかげで人は、動くように作られている事。つまり動物だという事を忘れてしまう。

だれもが長時間の移動などで同じ体制をキープしたら体を伸ばしたくなる。これは筋肉が固まり、血流が滞り、生理的に不調を引き起こす事を防ぐ。つまり自己防衛を行う。運動はそれだけ体調を整える効果がある。

しかし、超常刺激に負け、不足しがちになる。運動だけは促す必要があると思う。ほかにも食事や睡眠といった人生の土台となるトピックについては別記事で徹底的に解説したので参考にしてください。

安全(安定)の欲求の満たし方

これも日本で暮らすうえでは非常に簡単に満たせるはずです。というより生理的欲求とこの安全の欲求を満たすことは義務。放棄することは虐待(ネグレクトやバイオレンス)です。

この安全の欲求は別名「安定の欲求」とも呼ばれ、この”安定”は少し気を付けていきたいポイントです。なぜなら安定した生活リズムや人間関係も含むからです。

寝る時間、起きる時間、食事の時間、食事の量、水分補給、運動習慣といったものの安定から、愛着対象者からの注目や声掛け、安心して過ごせる雰囲気といったものがとても大切です。

両親の不和や、親の精神不安定による一貫性のない態度は、子供の安定を壊します。

家庭環境の維持は、対人関係の能力が大切なので是非とも習得すべきおススメのテクニックがあります。それは、

「傾聴」と「アサーション」

話の聞き方と話し方の技術を磨くと、驚くほど人間関係は良好になります。夫婦関係、親子関係、友好関係、社会関係などすべてに適応できます。

それに子供は話を上手に聞いてもらえると親を信頼し安心感を持ちます。これらのテクニックは次の欲求である「愛の欲求」を満たす際にも有効なので習得してみて損はありません。

あらゆる活動の土台となる健康を維持する理想的な生活リズムも参考にしてください。

所属と愛の欲求の満たし方

生理的欲求と安全の欲求が満たされると、次に来るのがこの欲求です。

家族や恋人、友人、学校、会社、地域などの共同体の一員になりたいと思う。そして愛情をもらいたいという欲求です。

「家族や恋人に愛されたい」
「あのグループに入りたい。」
「あの人と仲良くなれたら・・・。」

といった感情は誰もが経験するものではないでしょうか?

親ができることはありのままを認めてあげる事。愛してあげる事です。そして子供自身がどこのグループにも属せるように「コミュニケーション能力」と「学力」を伸ばしてあげる事。

愛してあげるにはどうすればいいか。それは本人が愛されていると感じることが大事です。どんな時に愛情を感じるか。それは特別扱いをされているときです。では、どうすれば特別扱いできるのか?

それらのコツをまとめたので参考にしてください。

そして集団に所属するというのは、コミュニケーション能力のなせる業です。この能力を伸ばすことは人生の成功・豊かさに直結します。

承認の欲求の満たし方

「所属と愛の欲求」が満たされると次に来るのがこの「承認の欲求」です。

この欲求には2つの方向性があり、一つは「自己」。つまり自分は凄いと思えるようになりたい。といった欲求。

もうひとつは「他者」、つまり他人に認められたい。という欲求です。

中学生くらいに発症する「厨ニ病」はこれらの欲求が爆発している状況です。言い換えれば正常な発達の過程だと思います。でも本人の歴史に闇が出来てしまうので早急に満たして次の欲求へと向かっていってほしいもの。

そこでまず、自分はありのままでいい・何があっても大丈夫・自分は凄い・出来る奴だと思えるよう「自己効力感」、「立ち直る力(レジリエンス)」を育む。

そして実際周りからも認められるよう成果を出すためには、「やり抜く力(GRIT)」、「実行機能」などを磨くことが効果的です。

まとめ。

基本的に、日常生活の中で満たせるように働きかけるのが無難です。毎日、「生理的欲求」→「安全・安定の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」を満たせてあげれているか気にかけてあげるだけでも変わってきます。

理想としては、毎日同じリズムで生活し、良い食事を摂り、よく運動し、よく眠る。家庭環境は、いつも暖かく、安定しており、いつでも親は話を聞いてくれる存在であるし、真摯に受け止めてくれる、褒めてくれる、尊敬できる人として在れたら最高だと思う。

日常生活の作り方は、最高の健康を実現する日常生活の作り方で、語っているので参考してほしい。

また、うちではこうしてるよ!といったアドバイスなどがあればコメントで共有してください。僕含め皆さんの助けになります。