子供から圧倒的な信頼を勝ち取る話の聞き方【傾聴】

2021-06-14

人は話すことが快感な生き物だ。話したいという気持ちはとても強い。そして実際に喋れるとSEX並みのドーパミンが出る。

だからこそ「俺の話を聞け」と相手を顧みない態度を無意識にとったり、相手の話を聞いてるようで自分の意見を言いたいだけになったりする。

だがそんな態度では、良好な関係は築けない。

話の聴き方を磨くと、驚くほど人間関係は良好になります。更に夫婦関係、親子関係、友好関係、社会関係などすべてに適応できます。

聴く力。これは人を癒し、自分の存在にカリスマ性を出してくれます。神仏や聖人の神たる支柱は「受容」です。聴くという行為は相手を受け止め包み込む行為です。

「愚痴をじっと聞いてくれる先輩」「何でも受け止めてくれる包容力抜群のお姉さん」「自分をお姫様にしてくれるカリスマホスト」

モテない訳がないですよね

ただこう言った人物になるのはとても大変。なぜなら誰でも話したいという欲求が大きいから。ただ聴くだけなんて割と苦痛です。話すのが苦手という人でも、親や親密な友人とはすごくします。とても楽しそうに。

聴く技術。それは「耳を傾け続け、全力で相槌を打つ」これだけです。意外とシンプルです。でもこれがとんでもなく難しい。トレーニングを重ねても1時間やるだけで割とヘトヘトです。

私はよく話を聞く。という人も案外会話中に口をはさんでいます。というより、口を挟まずに耳を傾け続け全力で相槌を打つなんて、知識もトレーニングもなしに体得している人は天才以外の何物でもないです。

しかし、子供は話を聞いてもらえるというその体験が、親を信頼し家庭を自分の真の居場所だと確信する助けになります。

このテクニックは子供を、育てる上で必修科目といっていい。しかも子育て以外にも使える。

モテたい男子だって活用してほしい。影響力を持ちたい人も使ってみてほしい。人間関係を良好にしたいなら使わない手はない。

僕は、子供相手にも使う。保護者にも使う。同僚にも使う。上司にも使う。部下にも使う。交渉事にも使う。彼女にもつかう。あまりいないが友達にも使う。面倒なので親には使わない。

なぜこれだけ使うかというと効果が凄まじいからだ。聴くだけで自分の影響力が上がるんだ。それだけ自分に都合のいい状況を作れる。しかも相手も喜んでそうしてくれる。Win-Winの関係だ。

是非、習得してほしい。

子供と心を通わす話の聴き方。それは「積極的傾聴(アクティブ・リスニング)」といいます。※以降「傾聴」と略。

傾聴とは?

「傾聴(けいちょう)」とは、カウンセリングで活用されるコミュニケーション技能の1つ。相手の話に耳を傾けて、熱心に聴いてあげることを意味します

神経症的傾向(鬱・不安障害など)の子に対す療法の一貫でもある。話をじっくり聴いてもらうことで、自分の感じたこと、思ったこと、がんばった事などを「受容」・「共感的理解」を感じ「承認欲求」が満たされます。

つまり、自分は愛されている。と感じる。これは自己効力感や欠乏欲求を満たす上でも欠かせない成功経験だ。

傾聴のメリット

理想的な親子関係を結ぶ上で「傾聴」は非常に役に立つ

傾聴の技術を身に着けていくと、自然に子供の「拒否」・「支配」的傾向は緩和される

子育て経験がない・知識がないといった人は、その場しのぎの方法で子育てをしてしまうために、体罰や甘やかしが発生しやすいです。そして無意識のうちに、自分の都合を押し付け子供を支配したり、構わなかったり。こういうケースは意外と多い。

だが子供の人格を尊重せずに親の価値観で勝手に物事を進める養育態度では、主体的で安定した子供は育ちにくい。(忙しい時に限ってワガママな事も多々あるでしょうが)

多くの子供たちは、親にもっと話しを聴いて欲しいと思っています。児童自立支援施設や少年院で暮らす子供たちに、家庭への評価についてアンケートを取ったところ、子供らは,親とのコミュニケーションを欲しており,「もっと話がしたい」という回答は、支援施設で67.9%、 少年院でも66.4%に上っている。(岩田 美香,2013)

というように3分の2を超える子供たちが、親との対話を求めていました。

これらの中には既に関係づくりでくじけてしまい、親を拒否している子供たちもいるので、コミュニケーションが必要なケースは更に多いと考えられます。

対話と言っても子供より大人の方が一般的には言語的能力が高いので、親子の対話は親が中心になりがちですよね。しかし人は普通、自分の気持ちをわかってほしいと感じている

そんな気持ちを汲み取り、癒してあげることが出来るのが「傾聴」です。

傾聴のタイミング

傾聴の技術。とても奥深く突き詰めていけばとんでもなく大変だ。しかも集中力をかなり必要とする大技だ。

日常的に傾聴し続けるのは現実的ではない。そこでおすすめの心構えとしては、要所要所で本気を出せばOK。普段はある程度出来れば花丸だ。

例えば子供が落ち込んでいる時、うれしい事があった時、仲直りしたいとき、時間があって構ってほしそうなとき、ご褒美をあげる時、共に幸せな時を過ごす時などは、本腰をいれて傾聴の姿勢を構えてほしい。

そして自分に余裕があれば、食事中や寝る前の団欒などといったコミュニケーションとして傾聴なんてできれば素敵だと思う。

傾聴の技術

実は、技術としては非常に簡潔に伝えることができる。本質は「本気で聴く」だから。実用的な範囲で意識するなら以下の2つの点を徹底するだけで十分だろう。

1.聴くに徹する。
2.共感的相槌をする。

おそらく一番難しいのが「聴くに徹する」という姿勢だ。

年齢にもよりますが、理路整然と話せない子供相手の傾聴は時間がかかります。親は口を挟まずじっくりと腰を据えて、子供の訴えに耳を傾ける。

親が対話の主導権を奪ってしまうと、子供は聞いてくれた。認めてくれたと感じません。つまり傾聴失敗です。

話し手は子供、聞き手は親。傾聴中に、親の意見は必要ないです。

しかし人は聞き続けるという行為をとても苦痛に感じます。どうしても口をはさみたくなります。その忍耐が傾聴ともいえます。

そして話を盛り上げる。聴いているという姿勢を表現する技法として「共感的相槌」を行います。

子どもの感情的部分は、子供の発言した言葉をそのまま使って「パラフレーズ(オウム返し)」を行う。例えば「公園で100円拾った。うれしかった。」と子供が話したら「うれしかったんだね。」と相槌を打つんです。

「その100円何に使ったの」という疑問は置いておきましょう。親の意見や説教は今必要ないんです。それは傾聴によって確かな関係を結んだ後に行うことです。

子供が傷つく、悪い話の聴き方

傾聴のスキルを自然に身につけられている人はかなり少ない。やはりどうしても口を出してしまう。そこでよくあるパターンを紹介します。

少しでもイメージが湧けば改善していきましょう。

1.お説教

お説教とは親が対話の主導権を握って、子供の悪いところや物事の理屈を話し続けてしまう状態のことです。

子供が反省しているのか、悪いことを理解しているのか、を納得できず、親の言い分を認めさせようとしているんですね。

お説教は、相手へ一方的に意見をぶつけて屈服させようとするマウンティング行為なんです。

2.取り調べ

取り調べとは、子供に質問を投げかけ、その返答に対して親が正論をぶつけ返す対話パターンのことです。

一見すると平等な対話になっているように見えますが、実のところ親が言いくるめているだけでしょう。

このようなコミュニケーションが中心になると、子供は自分の意見が言えなくなり、親に合わせた答えをいうか、黙り込むことで反抗します

3.話ドロボー

話ドロボーは、対話のはじめに子供の考えを聞こうとするのですが、途中でスイッチが入って説教モードに移行するパターンです。

親が子供の気持ちを聞こうとしている姿勢はいいのですが、根底では親自身の考えを押し付けたい気持ちが潜んでいるのですね。

しかも「話を聴いてやっているのに」と自分の問題に気づけない話ドロボーの人も中にはいます。

以上、これら3つの悪いパターンに共通するのは、子供を親の価値観で支配しようとしている傾向です。

そんなコミュニケーションだと、子供は気持ちを受け止められているとは感じないでしょう。

自分の話を真正面から受け止めてくれない親を、子供は心から満足することがないでしょう。