物事を始めやすく、集中させるモチベーションのテクニック

2022-01-28

「物事を始めるのが遅い。」
「ヤル気になるまでに時間がかかる。」
「続かない。」
「途中で遊んでしまう。」

こういった動機づけ(モチベーション)にまつわる悩み。これは子育ての悩みNo.1です。(何百人というママからの質問に答えてきた僕の経験上。)

つまり、動機づけのテクニックさえ押さえていれば、子育ての悩みNo.1に対処できるわけです。困ったら大体これ!という最強のテクニックもありますので是非活用してください。

スタートの悩みには、ウォーミングアップ法

物事を始めるには、まずはこれです。どんな物事も、行動を始める事が一番大変です。まずは一歩踏み出す事。ウォーミングアップ法とは、ここに特化した手法です。

具体的な手法は、

1.楽しい雰囲気を作る。
2.やりたくなる事を最初にする。
3.気分が乗ってきたら、本命の作業に移る。

これだけです。非常に簡単。

例えば、宿題を全然始めない時。「早くしなさい!」と、怒るように促すことも多いでしょう。でもこれだと、《宿題=最悪の雰囲気》が定着し宿題のイメージが最悪になります。

だからこそ、まずは雰囲気作りからしっかり意識していきましょう。

注射や歯医者に行くときも、「イヤなのはわかるけど、行かないとダメなの」と義務的なイヤーな雰囲気になりがち。もう空気感から嫌になってしまいます。

楽しげな雰囲気を作ったら、次は、やりたくなる事から始める。

宿題であれば、まずは、好きな戦国将軍のエピソードの本を読んだり、クロスワード的なやつをやったり、100マス計算などで競争してみたり、一問解く時間をストップウォッチで図る。そして10秒で解けたね!凄い!次は何秒で解けるかな?なんて具合で楽しみながらモチベーションを上げていきましょう。

形だけ、宿題をするときの姿勢をつくれたら中身は何でもOK。楽しく手や頭を動かして、その流れで宿題もやってしまおうという事です。


ヤル気を膨らませるなら、スモールステップ法

これは、もうなんでも応用が利きます。超便利な必殺技です。困ったら大体これ使います。しかもウォーミングアップ法とも相性がいいので一緒に使う事をお勧めします。

具体的な手法は、

メチャクチャ簡単な事から始める。徐々に難易度を上げる。

これだけです。例えば食事の時。すぐ遊び始めてしまう子っていますよね。あれは食事に飽きてしまうからなんですね。そういう時は、スモールステップで食事をすると効果抜群です。

まず2,3口で完食できるくらいの量で出します。見た目的にもすぐ食べれると分かるので、食べ始めやすいわけです。遊ぶ間もなく完食できるわけです。達成感があるわけです。しかも完食したら褒められるわけです。モチベーションが上がりますよね。まだお腹もすいてるでしょうからオカワリします。これまた「良く食べるねー」と褒められるわけです。

習い事なども、最初は遊びから始める楽しくなってきたら徐々に難易度を上げる

目標を達成できれば楽しいわけです。そして徐々にハマっていき大きな成長に繋がります。
こんな感じで、スモールに始め、徐々に大きくしていく。これがスモールステップ方です。


モチベーションの維持には、トークン・エコノミー法

これはご褒美制度の事です。

お手伝いや宿題、学校にちゃんと行ったらシール1枚。シールが5枚でお菓子。シール10枚で好きなご飯。シール20枚で漫画やゲーム。みたいな、制度を作ることです。

やりたくない事や、つまらないけど当たり前に続ける必要があるもの等には動機付けは必須です。


集中力を最大限発揮するなら、ポモロード・テクニック

15分勉強したら5分休憩。45分読書したら15分休憩。60分運動したら20分休憩。
といった、意図的に時間を決め、休憩もとる事です。

時間は自分に合った時間で構いません。

これは学校の授業と同じです。50分授業があり10分休憩時間がある。

こうやって時間を区切り、集中を研ぎ澄ませ、必要な休憩をとる子で集中力は最大限発揮できます。


面倒な事を楽しくするなら、ゲーミフィケーション

大抵の子は、ゲームにはものすごく集中できますよね。あの集中力を他の事にも向けてほしいと思いますよね。それを実現させるに、ゲームの要素を取り入れましょうというテクニックです。

ゲームには主に4つの特徴があります。

・目標や道のりの可視化
まぁ、まず終わりがなければやる気は出ません。山頂の見えない登山は苦行です。そして、どうすればゴールにたどり着くのか。分からないと手を付けれません。道のない山には踏み込めません。

・即時の結果や報酬
モンスターを倒せば、経験値やアイテム、ゴールドが手に入ります。宿題を倒したら経験値やアイテムが手に入ったらやる気が出ますね。ゲームでは、淡々とモンスターを倒してレベル上げをします。なぜこんな単調な作業を楽しめるかというと、あと経験値がいくつ溜まればレベルが上がるか分かるから。

・ステータスの可視化
そしてレベルが上がると、攻撃力や守備力が上がる。だからこそレベルはあげたくなるもの。宿題をいくつ済ませればレベルが上がるだろうか。レベルが上がったら僕は知力がいくつになっただろうか。何か独自のステータスを作ると良いです。僕は1冊本を読むと知力が1上がります。

・コレクション性
これはマニアックなゲーマー気質の子には強烈に働きます。僕は読み終えた本を本棚に入れます。そして自分が読んだ本で本棚が埋まることに快感を覚えます。

終わらせた宿題を、目に見える形で積み上げていってもいいだろうし、シールや数値化して目に見える形で記録に残すというのはいい方法です。


ルールを守らせるなら、自己決定

子供にアレコレ指示を出すことは日常だと思います。

「顔を洗いなさい」「歯を磨きなさい」「着替えて」「はやくして」「そんな事しないで」「片付けなさい。片付けないともう遊ばせないよ」「あれはしちゃダメ」「これはこうして」「宿題しなさい」「ゲームをやめなさい。」

何故なら、言わないとやらないから。しかし、それはますます自分からやろうと考えなくなります。

例えばおもちゃやゲーム、アニメなどに夢中の子を動かすのはとても大変なことです。でも無理矢理辞めさせると余計に楽しかったという思い込みが増し、おもちゃやゲームに対する執着が強くなります。

これは認知的不協和といって、要求と現実の矛盾によるストレスからの防御反応によるものです。

ある、2つのパターンで遊ぶのを辞めさせた後、「あの玩具はどれくらい面白いか」を聞く実験を行いました。

『ご飯を食べるから止めなさい』といって無理やり辞めさせられた場合は、『すごく面白かった』と答える。

『そろそろご飯を食べよう?』と、優しく諭して、子供の意思でやめさせた場合は、『そんなに面白くなかった』と答える傾向が高くなりました。

これは認知的不協和による反応です。遊び続けられたけど自分で止めた。その事が都合よくなるように理由付けをしたからです。

楽しかったけど自分の意思でやめた。という矛盾を回避するため、楽しくなかったと思い込もうとします。こういった働きかけを続けると次第におもちゃやゲームに対するモチベーションは下がってきます。そして代わりに行う行動が好きになったりします。

さっきの例でいうとご飯ですが、「息抜きにお勉強してみる?」みたいに諭して、楽しくないけど自分の意思で勉強をする事を選ばせ続けたら次第に勉強は楽しい、といった認知的不協和を起こしてくれます。

この認知的不協和は、上手に使えば非常に強力な武器になります。

例えば事前に約束事をする。子供にルールを作らせる。子供に決めさせる。つまり自己決定させる。それだけで認知的不協和が働きます。

「自分からこれをやると決めた。ほかに面白い事があるかもしれないけど、これをやると決めた。だから面白いはずだ。これをやるべきなんだ。ほかの事は役に立たない。」というような理由付けを勝手にしてくれるから実行しやすいんです。

自己決定には、様々なやり方があります。が、大事なことは子供に決めさせることです。

割と便利なのが二者択一。「お風呂で体を洗う?お湯で遊ぶ?」「保育園でお友達に会いに行く?先生に会いに行く?」といった感じ。