自分も相手も大切にする驚異的な話し方【アサーション】
すべての悩みは対人関係から始まる。つまりコミュニケーションを制する者は人生の悩みを制すると同じだ。
そんなコミュニケーションは「話す」「聴く」というシンプルなもので出来ている。
今回は「話す」にフォーカスを当てていく。
人は話すことが快感な生き物だ。話したいという気持ちはとても強い。そして実際に喋れるとSEX並みのドーパミンが出る。
だからこそ「俺の話を聞け」と相手を顧みない態度を無意識にとったり、相手の話を聞いてるようで自分の意見を言いたいだけになったりする。
それと、言いたいことを言えない。という状態もすさまじいストレスになる。
そこで理想の話し方、アサーションの技法を紹介しよう。
アサーションとは。
自分も相手も大切にする話し方の技術です。誰もが習得すべき理想の自己表現。もちろん簡単な技ではないです。
しかし、習得すべき価値はあります。
「断れない」、「誘えない」、「言いたいことが言えない」、「相手を傷つけてしまう」。そんな悩みとはサヨナラです。
自分の思い通りに相手を動かそうとする話し方(態度)を「攻撃的自己表現」といいます。
たとえば、「人手が足りないんだからシフトはいれるよな?」「親なんだからそれくらいしないと」「うるさい。黙ってやれ」といった押し付けの態度です。
逆に、頼ってもいいのに頼れなかったり、断ってもいいのに引き受けてしまう話し方(態度)を「非主張的自己表現」と言います。
「相手が嫌がったらどうしよう」「どうせ断っても無理やり押し付けられる」「言っても無駄」こういった引っ込み思案な態度です。
このどちらも適切な表現技法ではないんです。
「攻撃的表現」では、相手も相手の家族や友人、周りの人も傷つけてしまいます。周り回って自分の風評にもヒビが入り信用を失う可能性すらあります。
「非主張型表現」では、自分も家族や友人など大切な人にも巻き添えにしてしまいます。例えば仕事が休めなくて子供と一緒に過ごせない。友達との予定をキャンセルする。夫婦のコミュニケーションが取れず疎遠になる。といったことも。
そして、人はどちらの面も持っています。仕事や学校では「非主張的表現」しかできないけど、家族やお店の店員さんには「攻撃的自己表現」をするという場合もありえます。
そこで、理想的な第三の表現方法「アサーション」。つまり自分も相手も大切にする話し方(態度)を習得するべきなんです。
アサーションの習得によって、自分も相手も周りの人も傷つけず円満な人間関係を築けるようになります。
夫婦、親子、仕事仲間、友人などの関係すべてに使えるテクニックです。
アサーションのマインド
この技法は、自分の考えをその場にふさわしい方法で正直に伝える事。そしてお互いの意見を聞き譲ったり譲られたりしながらお互いに納得いく結論を出す事を目的とします。
ただ、うまくいけばラッキー。とりあえず素直に伝える。そして聴くという気持ちが大事です。
人は何も努力せずに、うまく物事が進まなかったら不満や後悔、イライラします。でも少しでも努力して改善しようと頑張って、それでおうまくいかなかったことは仕方ないと気持ちよく諦められるものです。
つまりストレスが減ります。アサーションを行う事、それ自体が相手との関係を維持する潤滑剤になります。
アサーションの技術
アサーションには土台として3つの基本を押さえておきます。
1つは自分の気持ちを明確にする事。2つめは、その気持ちを言葉に出来る事。3つめ、お互い認める妥協点を探す事。
この3つが出来るようになる必要があります。仕事とプライベート。両親と子供。周りと私。それらを分けて考える。
例えば、漠然と「休みたい」という気持ちが湧いた時。まずは自分の気持ちを明確にするため、もう少し深堀する癖をつける。
テクニックの1つとして「Iメッセージ」で考えてみる。I メッセージとは、「私は~と思っている。」という風に主語を自分にして考える事。
「私は、子供の誕生日に一緒に過ごしたいと思っている。だから休みが取れなくて子供に申し訳なく感じる。悔しい。悲しい。」と気持ちを明確にしていきます。
そして、明確になった気持ちを、適切な表現で正直に打ち明けます。
例えば、「来月は、繁忙期ですが、子供の誕生日に遊園地に連れていく約束をしています。子供も私も楽しみに頑張ってきたのでお休みをいただきます。お休みする分の埋め合わせはするのでご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。」など、はっきりと伝えます。
「あのー来月休みたいんですがー」といった理由もいわず消極的なお願いの仕方では聞き逃されたり、なぜ休むのかわからなくて拒否されたりします。
逆に、「来月のこの日。絶対休むから。」といった高圧的な要求の通し方では反発されてしまいます。
理由と気持ちもセット。適切な言葉づかいで正直に打ち明ける。そして相手と共に妥協できるところまで話し合う。それがアサーションです。
自分の素直な気持ちと事情を伝えてもいい。逆に相手も同じことをしていい。大事なのはその後。どう歩み寄るか。お互い気持ちよく終われるように代替案や妥協案を出す事。
これを公式化したものをDESC法といいます。
D(Describe)-状況を話す。
E(Express)-自分の感情を話す。
S(Specify)-要求や解決策を提案。
C(Choose)-相手の対応の結果に対して、選択肢を示す。
アサーションがどうのこうのと考えるのが面倒なときは、このDESC法さえ使っておけばまぁOKです。なんのルールもなしに言いたいことを言うだけよりかは円満な人間関係になるはずです
アサーションの難しい点
攻撃的自己表現の人は、面倒だと思うでしょう。時にはカッとなってしまう事も。
非主張型表現の人は、勇気が出なくて言えない。となるかもしれません。
相手を怒らせたくない。上手に人間関係を築きたい。という場合にはどちらにもやはり「自分が変わる」という強さが必要でしょう。
つい怒ってしまうという人は、アンガーマネジメントもセットで習得してみるといいでしょう。
勇気が出なくて言えない。そんな時は、気軽に話せる人で練習して意識しなくても出来るようになってきてからいろんな場所で使ってみる。もしくは自己効力感を高めるところからスタートしてもいいでしょう。
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