児童発達支援式トイレットトレーニング&オムツなし育児

2021-06-14

最後のオムツを変え終わる日。それは、赤ちゃん時代とのさよならを意味します。待ち望んだ日でもあるけれど、ちょっと切ないような複雑な気持ちになりますね。

しかしこのオムツ卒業がなかなか悩みのタネなんですよね。

甲南女子大学では、2004年から地域の子育て支援と学生教育のために『甲南子育てひろば』を設立しました。2007年には神戸市から委託をうけた連携事業として、子育てに携わっています。2011~2014年に子育て相談項目を分析しました。

その結果、全体の相談件数は「子どもとの関わり」が最も多く,次いで「食事(離乳食,偏食等)」「生活習慣(トイレトレーニング,生活リズム等)」でした。

初めての子育てにおいて、トイレトレーニングは未経験のこと。

「トイレトレーニングはいつ始めたらいいの?」
「子どもが嫌がったらどうしたらいいのか。」
「どのくらいの期間がかかるのだろう。」

不安を感じる方も多いでしょう。しかしきちんと知識を持って臨めば怖いものではありません。今回は一般的なトイトレと、僕が児童発達支援の現場で培ったトイトレをご紹介します。

トイレトレーニングは、親としてやってあげることは2つ。
・子どもが自分からトイレに向かうようになる環境を整えてあげること
・健全な排せつ習慣を教えてあげること

これだけです。割とシンプルでしょう。それにトイレトレーニングは親子の楽しい交流時間です。無理なくストレスにならないように、ゆっくり進めていきましょう。

トイレトレーニング基礎知識

トイレトレーニングを始める前に、知っておきたい基礎知識があります。まずトイレで用を足せるようになるためには3つのステップがあります。

1:自分の体の中でおこっている便意や尿意を感じる
2:急いでおまるへ直行
3:上手に服を脱いで腰を下ろし、準備を整えてから排せつ

子どもにとってこの3つのステップを覚えるのは、大変なこと。3歳になってもオムツが外れない子が多いのも自然なことです。幼稚園や保育園にはいってから周りが自分でしている姿を見て自然と出来るようになるパターンも多いです。

排せつの仕組みとパターン

尿道と肛門の筋肉である「尿道括約筋」と「肛門括約筋」(両方合わせてドーナツ型筋肉という言葉もつかわれますね)その筋肉を上手に締めたり緩めたりして、排せつが行われます。

一般的には、夜間の排便→日中の排便→日中の排尿→夜間の排尿の順番に、だんだんコントロールできるようになっていきます。

0ヵ月では何度もうんちをしていたのが、1歳までには1日1~2回へ。そして2歳までには、1日1回へ。回数が減るかわりに量がふえます。2歳をすぎるころには、うんちだけでなくおしっこの間隔も長くなります。

男の子、女の子どっちがトイレトレーニングしやすい?

一般的には、男の子より女の子のほうが早くオムツが外れると言われています。実は、これは男女の違いや体の発達によるものではありません。

トレーニングする人・される人が同性か異性かによるものだと考えられています。トイレトレーニングするのはだいたい母親ですよね。女同志しつけには違和感がない上、女の子はママの真似をしたがります。だから早く覚えるのですね。

それに比べて男の子は立っておしっこをすることを覚えなくてはなりません。そんな時は、パパがお手本になってあげるとよいでしょう。(難しい場合は、絵本や動画で代用します。)

あわてて始める必要はありません

「トイレトレーニングを早く始めなくては!」

このようにあせる必要はありません。赤ちゃんの排便・排尿のための神経や筋肉は18~24ヵ月まで成熟しません。成熟しないまま無理にトレーニングしても上手くいかないことが多いのです。かえって少し遅めに始めた子の方が、スムーズにトイレでできるようになることもあります。

ただ、2歳8か月までには始めまよう。膀胱をカラにする習慣がないと膀胱炎のリスクや、膀胱のコントロールが弱まるリスクがあります。

トイレトレーニングの進め方

多くの人が実践し、効果を得ている方法に僕の発達支援での経験を少し加えたトイトレです。すべてを取り入れる必要はありません。使える部分だけ参考にしてみてください。

ステップ1:トイレトレーニングスタートの時期を見極める

時期を見極める。これが一番大切だと言われています。

子どもの発達には個人差があります。トイレトレーニングは2歳~2歳半に始める方が多いですが、それぞれの子の発達状態を見きわめることが大事です。子どもは、「練習を始める準備が出来たよ!」という合図を出してくれます。

・トイレのまねをする
・「おなかがへった」など自分の感覚を言葉にできる
・「ミニカーをとって。」など簡単な命令が理解できる
・オムツが濡れたとき教えてくれる、また自分でぬごうとする
・おしっこの間隔が最低3時間あく

このような様子が見られたらスタートです。尿意や便意を感じている姿を見逃さないようにしましょう。しゃがむ、オムツをつかむ、「うーん」とうなる、顔をゆがめる、部屋のすみっこに行くなど。このような様子が見られたら、トレーニングの準備はOKです。

でもトレーニングを嫌がる、気が乗らない様子ならもう少し待ってみること。時間がかかってもなにも心配する必要はありません。

※トイレトレーニングにあると便利のもの

・おまるor補助トイレ
おまるを使うか補助トイレを使うのか、子どもに選ばせてもいいですね。おまるは座った時に足が着くので落ち着いて排便できます。安全性、安定性、洗いやすさ、デザインを考えてぴったりのものを選んであげてください。補助トイレはトイレの便器に重ねるので、トイレという場所に馴染みやすいメリットがあります。

・トイレのお手本になるもの
トイレやおしっこ、うんちに関する絵本はたくさんあります。絵本でのイメージトレーニングはとても効果的です。お母さんと一緒に読むことで、トイレで出来るようになる喜びを感じるものです。

あとは、親自身や保育園・幼稚園などで周りの子がトイレに行く姿を見て自ら行くものと学んでくれる場合もあります。

・トレーニングパンツ
トレーニングパンツは、吸収力の高いパッド付の下着。オムツからパンツへ移行するときに使います。子どもの手でも、ぱっと脱げるようなゆるめのものを6枚ぐらい用意するのがいいでしょう。なければ無いで着心地のよいパンツで代用も可能です。

ステップ2:トイレについてイメージを湧かせる。

いままでオムツを付けていた場合、トイレに行くことはほぼなかったかと思います。正直子供にとってトイレはよくわからない場所です。

自閉的傾向の強い子は特に、新しい環境に適応するのが苦手です。まずは絵本や動画、口による説明でトイレは「こんなところだよ~」「こんなことをする場所だよ。」というのを伝えます。

ここで大事なのは脳内イメージ。「楽しい」「気持ちいい」といったイメージが湧くように工夫しましょう。ただトイレをする場所だよとだけ伝えても興味もわかなければ親近感もわかず自分事になりません。

そして実際にトイレに定期的に行く習慣をつけましょう。トイレをするしない以前に場所に行く事。可能であればトイレにまたがりましょう。

ステップ3:「したくなったらトイレに行く」を教える

トイレトレーニングの第一目標は、子どもがどんなふうに感じたら、何をするべきかを理解できるように助けること。子どもがトイレに行きたそうなサイン(しゃがむ、部屋のすみへ行く)などが見られたら「おまるにいこうね。」と声かけします。

“したくなる→おまるに行く"この流れが子どもに分かれば、そのうち言われなくてもおまるに行くようになります。

それが身についてきたら次は、したくなったら「トイレに行きたい」と言うように伝えます。子どものトイレのサインに気づいたら、すぐに「おしっこなの?ママorパパに教えてね。」という感じです。

そうすると、“したくなる→言葉に出す”が子どもに分かります。これが出来るようになったら次の段階、“おまるに座ったら、おしっこorうんちをすること”を教えます。

子どもがトイレに行きたいかなというタイミングを見て、オムツを汚す前におまるに座らせるのがポイント。例えば毎食後、入浴前、寝る前など時間を決めて、おまるに座らせます。「おしっこ、出るかな~?」と声かけしながら、出るまで一緒に待ちます。出たらたくさん褒めてあげてくださいね。

ステップ4:トレーニングパンツをはかせる

昼間はおむつを汚さずに過ごせるようになってきたら、そろそろオムツを卒業。日中はトレーニングパンツ、もしくは着心地の良いパンツをはかせましょう。

トレーニングパンツは、おしっこでぬれた感じが分かりやすいもの。失敗すると気持ちが悪いので、ぬれたことを教えてくれるようになります。そして濡れてない状態が気持ちいいものだと認識します。はじめは、「濡れて無いパンツは気持ちいね。」など声掛けするのも有効です。

それともし伝えていないようならこのあたりのタイミングで、トイレ以外でおしっこやウンチはしないことを教えてあげましょう。

成功、失敗を繰り返すうちに、リズムがつかめてきます。決して焦らず、怒らずおおらかな気持ちでいてあげてください。

最後にお尻をふいて、水を流し、服を着て、手を洗う一連の流れを教えます。女の子には前から後ろへふくように教えましょう。(尿路や膣への感染症を防ぐため)きちんと身なりを整えて、手を綺麗に洗うことを教えるのも大切です。

ステップ5:最終ステップはお出かけや夜にチャレンジ

昼間パンツで過ごせるようになったら、お出かけ時でのトイレに挑戦しましょう。最初は、失敗しても大丈夫な公園や児童館がよいでしょう。子どもの服装は脱ぎ着のしやすいものにし、着替えを多めに用意します。お出かけ先では、あらかじめトイレの場所を確認しておくと安心です。

そして、いままで子供は「トイレにいきたい」→「家のトイレ」というイメージがついているのでトイレはどこにでもあるもの。お外にもトイレはあるという事を教えてあげましょう。

昼間はトイレで出来ても、夜おねしょをする場合はオムツを利用しましょう。朝起きた時に、オムツが濡れていないのが続けば夜間もパンツにして大丈夫です。

完全にオムツが外れるのはやはり個人差があります。早くても3~4カ月はかかるようです。1年近くかかったり、逆に3歳すぎのスタートで1カ月ほどで終わった人もいます。

週末の集中トレーニング法

中には仕事のない週末や休みの日に、トイレトレーニングをしたい人もいます。この集中特訓コースは、ゆっくり進めていくトレーニングよりも密度が高いものになります。

:向き不向き
お話が出来て、新しいことにも抵抗なく前向きな時期の子。または、しつけしてくれるママやパパを喜ばせたい態度の見られる子向きの方法です。

:ふさわしい季節
トイレトレーニングによい季節は、気分よく過ごせる春から夏がよいでしょう。薄着になるのでズボンやパンツも脱ぎやすく、洗濯物も乾きやすいので親の負担も減ります。

:短期集中トレーニング開始
“今日は特別な日で、特別なことをする”と伝えます。「オムツさよならゲームだよ!」とゲーム感覚で楽しいことをするように伝えてくださいね。オムツを外して、トレーニングパンツをはかせます。

なにはともあれ、おまるに座る。

パパorママがついて一緒にお手本を見せます。そして座ったままトイレトレーニングに関する絵本を読みます。「おまるに行こう」「おしっこ・うんちをしよう」という合図の言葉が絵本にも出てきます。

おまるに座る→おしっこ・うんちをすることを教えます。

今日一日は、子どものおしっこが出そうなサインを見逃さず「おまるに行こう」と連れていってあげてください。何度も繰り返すと、子どもは流れをつかんできます。おまるはキッチンの近くに置いてもかまいません。

もし、上手く出来たならシールなどのご褒美をあげましょう。夜になったら、ゲームの終了です。

成功のコツは楽しむ事。たくさん褒める事。

トイレトレーニング成功のコツは、絶対に叱らないこと。そして、うまくできたら、とにかく褒める!ひたすら褒めて褒めまくる!大好きなパパやママに褒められることが子どものやる気のもとです。

何度も失敗したり、ときには後退してしまうこともあるでしょう。でも失敗するのは当たり前。ここで紹介したトレーニングが上手くいかなくても、親として失格だなんて思わないでください。

子どもの「自分で頑張ろう!」という気持ちを信じて、一緒に寄り添って応援してあげましょう。大丈夫!オムツはいつか必ず外れるものですから。

番外編:オムツなし育児

「おむつなし育児」を聞いたことがありますか?これは僕が、個人的に注目しているトイトレ(?)です。通常のトイトレでは全く効果なしという場合にも試してみるといいかもしれません。

オムツなし育児とは

日本では2010年くらいから注目されている育児法で、できるだけおむつ以外の場所に排泄させる育児のことです。

生まれたての赤ちゃんが泣いているから、おむつを交換してあげようと外したとたんにおしっこが出て、服もシーツもびしょびしょになったという経験をお持ちの方は多いと思います。確かに赤ちゃんはおむつが汚れて気持ち悪くて泣きます。

しかしそれだけではないのです。人間も動物です。赤ちゃんでも排泄物で自分を汚したくないという本能を持っていて、「おしっこしたいのに何かで股がふさがれていておしっこしづらいよ~」と泣いていることもあるのです。

そんなサインを周りの大人がわかってあげて、おむつの外で排泄させてあげれば、次はもっとはっきりサインをだしてくれるようになります。

ところがこのサインを無視され続けると、赤ちゃんは諦めてしまってサインを送らなくなってしまいます。そしておむつの中で排泄することに慣れてしまうのです。

お母さんが赤ちゃんの排泄のサインを汲み取ろうとすると、当然赤ちゃんをよく見るようになります。そのうちに排泄のサインが読み取れるようになると、赤ちゃんがより愛しく思えるようになります。

赤ちゃんもお母さんにわかってもらえることで情緒の安定につながり、不必要に泣く回数が減っていきます。こうして、親子の理想的なコミュニケーションが取れるのです。

2010年ころから注目されていると書きましたが、実際のところおむつなし育児は新しい育児法ではありません。アフリカや東南アジアでは普通の育児法ですし、日本でも昔は当たり前だったことです。

1920年位までさかのぼれば、おむつは早く外したほうがいいとされていましたし、おまるで排泄するのは良い習慣とされていました。生後1か月ころからおまるにかけさせ、生後半年くらいでおむつがいらないように育てる方法がすすめられていたそうです。

ところが1970年代に紙おむつが普及し始めると「心理学者」がおむつは急いで外す必要はない、トラウマの原因になると言い始めたのです。このころからおむつはお座りできるころから2歳の間に外れればよい。遅くとも3歳までに外れたらよい、とされるようになったのです。

現在子供たちのおむつ外れは2歳半から3歳半におよそ70%が集中しています。これで本当にいいのかな?と考え、現在の便利な紙おむつや布おむつも取り入れながら、昔のやり方のよいところを取り戻そうとしているのがおむつなし育児なのです。

おむつなし育児のメリット

・赤ちゃんとコミュニケーションが取れる

お母さんが赤ちゃんのことをよく見て排泄のサインを読み取る。赤ちゃんがサインを出すようになる。という親子間のコミュニケーションは前述しましたが、これはお母さんと赤ちゃんの間だけのものではありません。

お父さんと赤ちゃん、お兄ちゃんお姉ちゃんと赤ちゃんの間でもとれるコミュニケーションです。授乳を交代することはできなくても、おしっこさせてあげることはできます。

一度でもおむつの外に排泄させることに成功出来たら、赤ちゃんの気持ちよさそうな反応もうれしく、積極的に協力してくれるようになることでしょう。上の子たちが排泄のサインを読み取って、教えてくれることもあります。

・紙おむつ代がかからない

紙おむつ代がかからないこれは当たり前ですね。布おむつ派の方なら、洗濯するおむつの量が減ります。また紙おむつは購入費用もかかりますが、捨てるのも大変です。かさばりますし、においます。

最近は専用のゴミ箱が販売されていますが、専用のゴミ袋が消耗品で買い足さなくてはならないので、二重に費用がかかります。おむつにまつわる費用や手間を減らすことができるのはおむつなし育児の大きなメリットです。

・おしりかぶれしにくい

おしりかぶれのほとんどは、おむつやおしりふきとの摩擦が原因です。おまるに排泄することが増えれば増えるほど、おしりかぶれしにくくなります。またおしりかぶれしてしまったときの対処法として、「おむつを外して乾かしておく」というものがある位ですから、普段からおむつを外しているおむつなし育児ならおしりかぶれしにくいのは当然だと言えるでしょう。

・便秘や頻尿になりにくい

おむつを外しておしっこしたりうんちしたりすると、気持よく一度にたくさん排泄することができるため、便秘や頻尿を改善するきっかけになります。

・結果的におむつ外れの時期が早くなる

おむつなし育児を実践すると大半の子供が1歳半から2歳までに、自然に排泄を自律するそうです。

おむつなし育児はトイレトレーニングが目的ではありません。それでも子供が自分でトイレに行って排泄してくれるようになるのが早ければ早いほど、お母さんの負担が減るのは間違いないでしょう。おむつ外れが早くなるのはうれしいメリットだといえます。

おむつなし育児の始め方

まずおむつなし育児はいつから始めたらいいのでしょうか。これは赤ちゃんが生まれたらいつからでも構いません。ただしお母さんは産後1~2か月はとにかく自分の体の回復を優先させるべきです。お母さんがするのなら生後2か月を目途に始めてください。できれば生後半年までには始めたほうがいいでしょう。

生後半年までおむつの中で排泄させていると、おむつの外に排泄したい気持が薄れてしまうからです。しかし、スタートが遅くなってもそんなに気にしなくても大丈夫です。お母さんが赤ちゃんに気持よく排泄させてあげたいと思ったときが始め時だと思ってください。

最初は赤ちゃんの排泄のサインを読み取るのは大変かもしれません。ですから、まずはタイミングでチャレンジしてみましょう。

例えば
・寝起き。
・授乳前、授乳中、授乳後。
・車のチャイルドシートやベビーカーから降ろしたときも開放感からか排泄しやすいようです。同じようにお母さんの抱っこ紐から降りたとき。
・お母さんがトイレに行きたいとき。赤ちゃんとお母さんは一心同体。なぜかかなりの確率でシンクロします。

上記のようなタイミングで、おむつを外して排泄させるのです。何度か成功すると、なんとなく赤ちゃんの排泄のサインがわかるようになってきます。

例えば
・急に動かなくなる
・授乳中、口を離す
・おならがでる(これはウンチの可能性大)
・大きな声を出す
・おむつを触る
・しゃっくりをする等です。

このようなサインを赤ちゃんが出したら、排泄のチャンスです。どこでさせるのかは、お母さんや赤ちゃんの状態によって変わります。一番後始末が楽なのはトイレで排泄させることです。ただトイレまでの距離によっては間に合わないこともあります。

それにお母さんが疲れていたら、わざわざトイレに行くのはめんどうですね。そんなときにはおまるがあると便利です。おむつにされるよりはずっと後始末が楽ですし、枕元に置いておくことで、夜中や授乳中でも楽ちんです。

おまるがないんだけど、すぐに始めたいという方は、おむつをはずしてその上にさせるという方法もあります。おむつは汚れてしまいますが、赤ちゃんにおむつの外で排泄させる気持ちよさを教えてあげることはできますし、おしりふきでの後始末もかなり楽です。

首が座る前の赤ちゃんにおむつの外で排泄させるときには、できるだけお母さんと体がくっついた状態でさせてあげるといいでしょう。赤ちゃんが安心できますし、体に負担をかけずに済みます。

首と腰が座ったら、お母さんが両脇を支えてあげればトイレに座らせることもできます。もちろんおまるにも座れます。

おむつなし育児で最も大切なことは、お母さんが無理をしないことです。おむつなし育児を実践されるお母さんの中には、日常的に赤ちゃんにおむつをつけない方もいらっしゃいます。

しかしその方法だと、赤ちゃんが粗相したとき掃除が大変です。フローリングやタイルならまだいいですが、畳やカーペットだったら大変です。赤ちゃんが粗相したときにイライラするくらいなら、おむつをはめておきましょう。

お母さんに余裕がある時におむつをはずして、外に排泄させてあげたらいいのです。

おむつなし育児の経験者談

実際におむつなし育児で三人の子供を育てられたお母さんのお話をまとめてみました。

初めておむつなし育児を知ったのは、第一子妊娠中でした。面白そうだと思い旦那に話したら「大変そうだから、おむつ使ったら?」と言われました。

でも私は勝手におまるを買いました。

いざ赤ちゃんが生まれると新生児はふにゃふにゃすぎて、おまるに座らせるのは怖くてできませんでした。トイレは狭かったので安全にさせる自信がなく、結局首が座るのを待ちました。

首が座ってからは、寝起きや授乳中におむつを外しておまるをあてるようになりました。男の子は角度が難しく、おまるから飛び出てしまうこともありましたが、うまくできると妙な達成感があり、夫婦ではまりました。

特にうんちはおまるでさせることで本当に楽をできました。長男は家の中ではほぼおしり丸出しで暮らしました。かわいいおしりを一年中見放題。

1歳を過ぎたころには、おしっこならおちんちんを、うんちならおしりを片手でたたいて教えてくれるようになりました。

長男は1歳9か月でおむつを卒業。以来おねしょは両手で数えられるくらいです。

第一子の卒業とほぼ同時に第二子の妊娠がわかりました。第二子を出産してつくづく思ったのは「先に長男がおむつ卒業していてよかったなぁ」ということです。

出産後は体力が落ちているのに、新生児と2歳児の相手をするだけでも大変でしたが、本来ならこれに上の子のおむつの後始末があったんだなぁと思うと「自分には無理だな」と感じました。

第二子も男の子で長男と同じように育てて、同じように卒業できました。

第三子は女の子で少し困りました。おしり丸出しで育てるわけにはいきませんでしたし、途中で家を購入して引っ越したので、粗相されるのが気になってしまったのです。あと外出の時ペットボトルでおしっこする技が使えなかったのも困りました。

娘がおしっこしたそうにしていても、トイレを探さなくてはいけないかったからです。「それでもやれるときにやる」というゆるいおむつなし育児で娘も2歳になる前におむつを卒業できました。

三人おむつなし育児で育てた感想は「本当にやって良かった」です。

早めのおむつ卒業だけでなく、子供たちが三人ともイヤイヤ期もなく落ち着いていたのもおむつなし育児の効果の一つだったかもしれません。

私が感じた唯一のデメリットは他のお母さんから「え?もうトイレトレーニング?かわいそう」と言われたことです。

そんなときは「トイレトレーニングじゃないんだよ」と笑顔で返して、心の中で「おしりがうんちで汚れるほうがかわいそうだよ」と考えていました。

新米ママにお勧めの育児法がある?と聞かれたら、私は迷わず「おむつなし育児」と答えます

先輩ママより

おむつなし育児は赤ちゃんにもお母さんにもたくさんのメリットがあります。また、いつでも簡単に始めることができます。

お母さんの余裕がある時におむつを外して、トイレやおまるにさせてみるだけです。むいてないなと思ったら、すぐにやめてしまえばなんの問題もありません。元に戻るだけです。

「育児の常識」にとらわれず、赤ちゃんと自分のためにいいと思ったことを取り入れてください。また「我が家ではこうするとよかった」という経験談などありましたらコメントでの共有お待ちしています。